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| 店名 | 済南賓館 (チーナンヒンカン) |
|---|---|
| ジャンル | 中華料理 |
| TEL | 03-3226-0224 |
| 住所 | 東京都新宿区四谷1-13 |
| 営業時間 | 18:00~21:00 |
| 定休日 | 月曜・土曜・日曜・祝日 |
| 平均予算 |
最も多くの方が実際に使った金額です。 →予算分布を見る [夜] ¥10,000 ~¥14,999 |
| 用途 |
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| 初投稿者 |
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以前、香港在勤中に九龍にある天香楼という杭州料理の名店で衝撃的な料理を味わいました。横浜育ちの私が中華街で食べ続けた中華料理とは全く異次元と思える自然で爽やか、心温まる料理でした。しかしよく味を確かめると本当に微妙な味付け、食材同士の持つ補色(補食ではなく、食材もその組合せで互いの栄養素、旨味を強めあうの意)のような関係も浮かび上ります。
それ以後、天香楼の料理が忘れられず日本でその味を追い求めるも発見出来ません。仕方なく上海人に教わりながら自分で料理する様になってしまいました。しかし漢方を駆使するまでには至らず微妙な味付けには秘中の隠し味「砂糖」を使用せざるを得ません。この済南賓館では化学調味料はもとより砂糖は使用しないと聞いて非常に興味を持ちました。しかも同系列の自然な奥深い料理という強い期待感も醸成されていました。
JR四谷駅から新宿通りを新宿方面へしばらく進むと左側にNTTドコモのショップがあり左折します。その後右側に有名な鈴傳が見えますが更に進むと青い看板で店名が浮かび上がっています。四谷マンションの奥深く進むと店の入り口を発見。中に入ると靴脱ぎがありスリッパに履き替えて奥の和室へと進みます。昭和初期の日本家屋内部のような塗り壁と柱、畳の上にカーペットを敷いた部屋にはシックな濃いブルーのテーブルが配置されています。歴史を感じる佇まいです。
前菜盛り合わせは「胆の漢方煮、空豆腐乳和え、きゅうり、豚耳、三色玉子、海老卵和え五香干絲 」などですべて素材の持味が良く出て満足です。「湯葉の巻揚げ、椎茸、海老と鮑入り」はカラっと揚がって美味しいです。「里芋のミルク煮」はまろやかな回教徒の料理で山東省には宗徒が多いとの事です。イタリアンのニョッキのような味わい。蟹豆腐、豚肉の揚げ煮、中国セロリとイカの炒め物、海老チリ、水餃子、炒飯什錦合飯。最後にナタデココとアンズが。媚びず奢らず端正な料理への姿勢を感じました。料理はそれぞれ断続的な心地良い緊張感と至福感に包まれながら頂いて大満足です。
中国で体によい食材を日常的に食べて健康を保つということを薬食同源と言います。 このような料理は一見能面の中間表情の如く特徴薄い味わいとも誤解される可能性があります。しかし一見無表情に見えるが食べ手のあらゆる体調に調和する奥の深い可能性を秘めているのです。これは瞬間表情ともいえる刺激の強い料理に慣れ親しんでいると理解し辛いです。伝統的な調理技法により自然の生命力を人間の生命の輝きへと昇華させているのです。
清風明月。豊かな奥の深い味わいが醸し出されて添えられた食材との穏やかな調和もなして気持ちがよくなりました。心地よい爽快感を持ってしかも余韻を胸に抱きつつ店を後に家路につきました。帰途、夜風に吹かれつつふと佐藤孟江さんの歌の一部が思い浮かんで来ました。忘れえぬ望郷の地を思い出して・・・ 今日は心から酔えたすがすがしい晩でした。