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中々五合ボトル(だったが、蔵元の横暴により四合に) (\2,840)、 味噌汁(無料:ただし、2,000円以上の注文で) 、 烏賊丸ごと一本(ソーメンとゲソ焼) (\800)
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| 店名 | 町人 (ちょうにん) |
|---|---|
| ジャンル | 居酒屋 |
| TEL | 03-3824-4915 |
| 住所 | 東京都台東区谷中5-2-1 |
| 営業時間 | [月~木] 18:00~翌2:00 [金・土・日] 17:00~翌2:00 |
| 定休日 | 火曜・第3月曜・祝日の月曜 |
| 設備・サービス | 夜10時以降入店可、日曜営業 |
| ホームページ | http://izakayatyounin.okitsune.com/ |
| 平均予算 |
最も多くの方が実際に使った金額です。 →予算分布を見る [夜] ¥3,000 ~¥3,999 |
| 用途 |
多くの方がおすすめする用途です。 →用途分布を見る 友人・同僚と |
| 初投稿者 |
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二
こだまひろしはひとり三﨑坂をのぼって行った。かれは誰にも出会わなかった。しかし店のなかにはいったとき、ひとりの白髪の翁が、ふいにかれの目の前にあらわれた。この翁は店のなかで酒の肴をさがすために、その聖なる厨房から出てきたのであった。翁はこだまひろしに向かってこう言った。
「この酔いどれには見覚えがある。何日か前に、この人はここのカウンターに座った。たしか財布を忘れてしまったと言った。だがこの人は変わった。
あのとき、あなたはあなたの忘れた財布を家にとりに帰っていった。今日は、あなたはあなたの吐いた煙を厨房にはこぼうとするのか?あなたは愛煙家として受ける罰を恐れないのか?
そうだ。これはこだまひろしだ。しかしこの人の眼は淫らで、その口もとには侮蔑の念はひそんでいない。この人は舞踏者のように足取り軽く呑むではないか?
こだまひろしは変わった。こだまひろしは幼な子となった。こだまひろしは目覚めた。あなたはいま、酔っぱらっている者たちのところへ行って、何をしようとするのか?
まるで陋巷に住むように、あなたは喧騒のなかに生きてきた。そして陋巷はあなたを支えていた。ああ、あなたは海にかえろうとするのか?ああ、あなたはあなたの身体をふたたびじぶんで重たく運んでゆくつもりなのか?」
こだまひろしは答えた、「わたしは酔漢を愛しているのです」と。
「しかし」と店の亭主は言った、「なぜ、わしはこうした酒亭の厨房のなかにわけいったのだろう?それは、わしが、酔漢を愛しすぎた結果ではないのか?
いまわしが愛するのは、女だ。わしは酔漢を愛さない。酔漢は、あまりにも不完全すぎる代物のように、わしに思われる。酔漢への愛は、わしをほろぼすだろう。」
こだまひろしは答えた、「どうして、愛するなどと言ってしまったのだろう!わたしは酔漢たちに贈物を与えに行くのです。」
「かれらには何も与えることはない」と、亭主は言った。「むしろかれらの何物かを引き受けて、それをかれらと一緒になって喰らってやるがいい、――それがかれらに対するなによりの親切だ。もしあなたにその気があるなら!
また、どうしても与えたいと言うなら、施し物以上のものは与えないほうがいい。しかも与えるまえに、乞わせるがいい!」
「いや」と、こだまひろしは答えた、「わたしはわずかの施し物などはしません。それほどまでにわたしは貧しくはないのです。」
亭主はこだまひろしのことばを聞いて笑い、こう言った。「それなら、あなたの宝物を、かれらに受けとらせてみたらいい!かれらは世捨て人というものを疑っている。われわれが贈物をするために出かけてくるなどとは、かれらは信じない。
われわれが酒場へ行っても、われわれの呑む嚥下音が、かれらには淋しすぎるのだ。夜もあけないのに誰かが素面でいるのを、厨房のなかできいているときのように、かれらはきっと尋ねるだろう。酒盗め、どこへいくのかと。
素面たちのところへ行きなさるな。店の中にとどまるがいい!むしろ酔漢たちのところへ行きなさい!なぜあなたはわしのように、――虎のなかの一頭の虎、鮭のなかの一尾の鮭であろうとはしないのか?」
「それにしてもご亭主は、店の中で何をしておられるのです?」とこだまひろしはたずねた。
亭主は答えた。「わしは肴をつくって、それを食らう。肴をつくるとき、わしは焼き、揚げ、炒める。こうしてわしは女を讃えるのだ。
肴を食らい、焼き、揚げ、炒めることによって、わしはわしの神である女を讃える。ところであなたはわれわれにはなんの贈物をしてくれるのかね?」
このことばを聞いたとき、こだまひろしは亭主に一礼して言った。「あなたにさしあげるような何物があるでしょう!いまはあなたから何物も取らないように、わたしにさっそくボトルを入れさせてください!」こうしてこの老者と壮者とは、さながらふたりの少年が笑うように笑いながら、わかれたのであった。
しかし、こだまひろしがひとりになったとき、かれは自分の心にむかってこう言った。「いやはや、とんでもないことだ!この老いた亭主は、店の中にいて、まだ何も聞いていないのだ。女が死んだということを。」