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| 店名 | 金葉庭 (キンヨウテイ) |
|---|---|
| ジャンル | 中華料理、長崎ちゃんぽん |
| TEL | 03-5570-2626 |
| 住所 | 東京都港区赤坂3-7-9 |
| 営業時間 | |
| 定休日 | |
| 平均予算 |
最も多くの方が実際に使った金額です。 →予算分布を見る [夜] ¥2,000 ~¥2,999 | [昼] ~¥999 |
| 用途 |
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| 初投稿者 |
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こちらを訪ぬるは久方ぶり。先だつて家の近くであまりに不味き皿うどんに腰を拔かし、皿うどんの何たるかを確かめるため勇みて暖簾(のれん)を潛(くゞ)る。午(うま)の刻には間があると云ふに店の半ばは埋まりて齊(ひと)しく出來上がりを待つ。主(あるじ)に女將(おかみ)は變はらねど、娘と息子と思しき若者が増えてゐる。
待つほどに、瞬(またゝ)く間に席は溢(あふ)れ、やがては店の外にまで列が。邊(あた)りを見囘すと客の七割方は「ちやんぽん」、殘り三割が「皿うどん」。やがて運ばれ來たりし「皿うどん」、その姿形(すがたかたち)、前と寸毫(すんがう)違(たが)はず。味、リンガーハットに勝(まさ)る。家の近くの店とは雲泥の差あり。
【2006-02-06記】:
平成十六年年十月頃店開き。この日の晝(ひる)久方ぶりに訪ね、「皿うどん」、値八百圓円也を戴く。皿うどんには、小蝦、烏賊下足(げそ)、紅白蒲鉾、或る種の練り物、白菜、玉葱、などが入る。開店當時、練り物は紅白蒲鉾だけで白葱と木耳が入つてゐたやうに思ふ。殘念ながら蝦や烏賊下足には火が入り過ぎて旨くない。
前の日、酒家遊龍(メゾンドユーロン)で巧(たくみ)に火入れされた蝦を味はつたばかりだけにその落差に驚く。だが所詮、ちゃんぽん・皿うどんなるもの、こんなもんではないか。此處だけ責むるは見當違ひ。他の食材への火加減はほどよい。夜は客の注文を請けて調理するものゝ晝は豫(あらかじ)め下拵(ごしら)へ濟み。
一度(ひとたび)注文を請けるや、俄(にはか)に中華鍋の中の粗方(あらかた)拵(こしら)へた具に再び火を入れ、鹽を整へ、トロ味を加へて完成。とは云へ如何に忙しい時間帶なりとも味見は叮嚀。具材はちゃんぽん・皿うどんとも同じ。夜は下拵(ごしら)へをせず、注文を請けた後、切り揃へた具材を炒めるところから始む。
皿うどんの麺は典型的な長崎皿饂飩の細い揚げ麺。サクツとした感觸と餡のトロ味の對比が皿うどんの命。昔からちゃんぽんは得手でないのに皿うどんは好もところ。入り口の硝子戸にはちゃんぽんを指すと思しき「什錦炸麺」なる中國料理風の名が記(しる)してある。「什錦炸麺」は日本風に云うとさしづめ「五目硬ヤキソバ」。
皿うどんを口にするや、餡(あんあ)に自然とは云えぬ強き「旨味」伴(ともな)ふを覚ゆる。但し「グルタミン酸曹達は拉麺にとつて必要惡」と考へるので聊(いさゝ)かの違和感もなし。鹽(しほ)加減は至りてほどよい。客足引きもきらぬ晝(ひる)時と云へど、主(あるじ)、叮嚀(ていねい)に味見を重ねる。めでたし。
夜はさまざまな中華風小皿料理と酒が出る。嘗(かつ)て、「高菜と雜魚の炒飯」、「東坡肉」を試した。「炒飯」はまあまあ。「東坡肉」の味、月竝(なみ)ながらも皮付き。とは云へ、本場浙江省杭州市のものとは大いに異なる。「東坡肉」は「とうばにく」として江戸時代長崎に入り、名高き卓袱料理となりしことを思ふと感慨深い。
店を開きてより一年餘(あまり)にして猶(なほ)淸潔。金葉庭なる手もなかなか。カウンタ正面には中國畫の大きな扇(あふぎ)、奧に中國畫、厨房の反對には正方形の寫眞。淺き被寫界深度を巧みに使ひこなした玄人の作。自ら寫した富士や櫻を得意氣に飾る店少なからずと云へど、粗方(あらかた)、店の品を落とすのみ。
店を守るは齢(よはひ)六十(むそぢ)あまりの夫婦(めをと)。寡默な主(あるじ)が鍋を振り、妻と思(おぼ)しき女が客をあしらふ。件(くだん)の寫眞の中には主(あるじ)らしき人がどこぞの厨房で鍋を振るふ凛々(りゝ)しき姿も。或(あるひ)はこちらの主(あるじ)、どこぞ名のある店で永きに亘(わた)り腕振るひし職人か?。