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>本日のコース料理に対し、支払った勘定の額を考えると、やはりコストパフォーマンスは良くないように思えた。
諸々の事を加味しても、やはりお高いお店ですよね。
父は生前、味も値段も日本一と申しておりました。
それにしても、東京食道楽様でもそのようにお感じになる事もおありなのですね。
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| 店名 | 重箱 (じゅうばこ) |
|---|---|
| ジャンル | うなぎ |
| TEL | 03-3583-1319 |
| 住所 | 東京都港区赤坂2-17-61 |
| 営業時間 | 11:30~14:30 17:30~21:30 |
| 定休日 | 日曜・祝日 |
| 設備・サービス | ランチ営業 |
| 平均予算 |
最も多くの方が実際に使った金額です。 →予算分布を見る [夜] ¥20,000 ~¥29,999 | [昼] ¥20,000 ~¥29,999 |
| 用途 |
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| 初投稿者 |
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現在は東京一と評判の老舗も、浅草山谷で七十五年間営業された後、東京の店を閉めて都落ちして、昭和十年から二十一年間は熱海の地で店を営んでいたというから、必ずしも経営は順風満帆ではなかったようである。昭和三十一年に現在の赤坂の地に店を構えて、既に五十年余が経過した今は、商売は隆盛に赴いたようだ。
平日休みの昼餉時、赤坂駅で下車すると鉛色の空が崩れて小雨模様となった。ゆるゆると十分ほども歩いて愛想もない横道へと入ると、時代に置き去れたような高塀に囲まれた日本家屋にたどり着くことができる。杏子色の二階家の空を、辺りのビルが蔽い尽くして見えた。
格子戸を潜り苔生した石畳を踏み越えて、一階奥の八畳ほどの掘り炬燵式の和室に案内された。大窓からのぞむ中庭は両脇に千両などの木々が植えられ、中央に飛び石が連なり奥は丸太を積んだ段だらとなっている。ほどほどに手入れされた按配の庭が心を和ませてくれる。
化粧室に寄った、渡り廊下の途中で女将から声を掛けられた。屈託のない笑顔が実に素敵な女性である。ビールの銘柄を指定して温燗も頼むと、「温燗ならば福小町が一番ですね。」と告げられる。その客あしらいの上品さと所作に見惚れながら部屋へと戻った。
この店はコース料理のみで、昼コースは一万三千円、夜コースは一万七千円である。昼餉の訪問ではあったが、予約の時に特別に一万七千円のコースをお願いしておいた。
エビスビールで喉を潤していると、先付の「鮑塩釜」が供された。小鮑にワカメをのせ粗塩で包み込み焼き上げたものだ。周りの粗塩を砕き取り除くと、粗塩によって程好く締められ旨みの増した鮑が姿を現す。切り分けられた身と肝からは上品な磯の香りが口中に広がる。
「肝の山椒焼」は、串肝の周りを鰻のヒレ皮で巻き上げて焼かれている。肝焼きは、苦味を殆ど感じず、ふっくらとした焼き上がりは絶品だ。含んだ秋田銘酒の辛口「福小町」の温燗とよく合った。連れが梅酒をロックで注文すると琥珀に輝いた二十年物が供される。
仄かに山椒の香りが漂う赤味噌仕立ての「鯉コク」の椀は、濃厚な味わいであるが、吸い口はさっぱりとしている。嘗ては川魚を商った系譜から鯉料理も調理されるのであろう。
こんがりと焼色のついた「白焼き」は、皮は柔らかく身質はきめ細かくジュシーで、洗練された旨味の逸品だ。舌を蕩かすほどの味わいに、酒がすすんで温燗徳利を追加する。
重箱に収められた「蒲焼」、そして「ご飯、香の物」が供される。蒲焼も皮と身は柔らかく、さっぱりとした味わいのタレが鰻の風味を見事に引き立てている。一枚を固めに炊かれたご飯の上にのせ鰻丼風にして頂いた。美味い。本日供された鰻は静岡産とのことであった。締めのデザートは「小玉西瓜」である。
事前の確認を怠って「う巻き」や「うざく」を食べ損なったことが悔やまれる。それらはコースには含まれておらず追加の注文となる。甘い、辛いなどという味の好みは厨房にて調整してくれるとのことだ。江戸前の卵焼きは甘いものなのだが、最近は関西のだし巻き卵のような薄味の「う巻き」を好む客が多いという。
供された料理の味わいや、女将の接客態度などは誠に申し分ないものである。しかし本日のコース料理に対し、支払った勘定の額を考えると、やはりコストパフォーマンスは良くないように思えた。
やがて外は本降りの雨模様となった。女将が開けてくれた窓からは、雨音とともに庭から涼やかな風が吹き過ぎて気持ちが良い。その庭も最近は周りに建物ができて日照も悪くなり、咲く花も少なくなってしまったようである。
ホームページの「東京食道楽記(極上の味を求めて)」では、男女二人が、それぞれの視点から、食べ歩きの原稿を書き上げております。興味のある方はご覧になってください。
http://www18.ocn.ne.jp/~gokujyou/