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| 店名 | 銀座しのはる (ぎんざしのはる) |
|---|---|
| ジャンル | 天ぷら、天丼・天重 |
| TEL | 03-6226-4116 |
| 住所 | 東京都中央区銀座4-13-11 銀座M&Sビル B1F |
| 営業時間 | [月~金] 11:30~15:00 17:00~22:00 [土] 11:30~15:00 17:00~21:00 |
| 定休日 | 日曜・祝日 |
| ホームページ | http://www.ginza-shinohalu.com/ |
| その他リンク |
ぐるなび |
| 平均予算 |
最も多くの方が実際に使った金額です。 →予算分布を見る [夜] ¥8,000 ~¥9,999 | [昼] ¥3,000 ~¥3,999 |
| 用途 |
多くの方がおすすめする用途です。 →用途分布を見る 友人・同僚と | デート | 一人で |
| 初投稿者 |
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この日、銀座四丁目の辻(つじ)には小旗うち振る者ども溢(あふ)れ、常(つね)ならざるけはひ。見ると古(いにしへ)の車、次々に立ち現れ、足早に去る。折しも午(うま)の刻なれば、歌舞伎座近くに移りしほかけを覗(のぞ)く。暖簾いまだかゝらぬ玄關より中の胡蝶蘭を恨(うら)めしげに眺(なが)めつ踵(きびす)を返す。
やむを得ず、大通りを歌舞伎座方に渡り、銀の塔ひら井の前を過ぎて晴海通りに至らんとするに、馬手(めで)の硝子(ビードロ)壁にしのはるの文字ありてわが眼精(まなこ)を射る。足遠のきてよりすでに久し。吸ひ込まれるごとく階(きざはし)下りて暖簾を潛(くゞ)るに、席半(なか)ば埋まりてカウンタ席に腰を下ろす。
仲居、品書き持ち來たれば、すなはちこれを眺め、卷きの入る値(ね)の廉(やす)き天婦羅を頼む。サラダ、茶碗蒸し、天婦羅、めし、赤出汁、香の物、水菓子で値二千九百四十圓也。天婦羅は、卷き二、春菊、鱚、南瓜、茄子、穴子。先づは、卷きの脚素揚げしたるを鹽(しほ)と檸檬で味はふ。油、懐紙に滲みて嫌なけはひ。
卷きには中まで火が通り、名のある店とは異なる趣(おもむき)。鱚は中骨を去りて丸ごと揚げる。〆として穴子を天丼にして貰(もら)ふに、揚げ工合、丼つゆともほどよく、この日の白眉なり。そのほかは一つとしてめでたき品はなし。赤出汁は若布と三つ葉。思ふに三つ葉の浮く赤出汁には若布より寧(むし)ろ豆腐がめでたし。
鍋は盥(たらひ)のごとき寸胴鍋で温度センサ附き。こまめに手入れされ、妖しげなる光を放つ。天婦羅の鍋は厚手の銅(あかゞね)に限る。熱、素早く傳はりて、加之(しかも)、冷めがたし。だが、鍋の手入れ行き屆きたる店に惡(あ)しきはなし。技、音(おと)に聞く天婦羅店に及ばずと云へど、この値で卷き二本とは恐れ入る。
【2005-11-30登録、抜粋】:
かつて日本橋茅場町に稲ぎくなる名高き天麩羅屋あり。今も麹町に稲ぎくを名乘る店あり。こちらの主(あるじ)は稲ぎくの出にて、値の張る玉締絞(たましめしぼ)り胡麻油を用ゐた天麩羅を揚げる。店は晴海通りに面し、明るく入り易い。老舖の天麩羅屋と云ふより、百貨店の特別食堂のごとき佇(たゝづ)まひ。
晝(ひる)は女性客向けのセット中心ながら眞つ當な天麩羅や天丼の類も。活けの卷きを使つた天麩羅は二千九百四十圓から、天丼は三千六百七十五圓から。揚げた天麩羅を丼汁に潛(くゞ)らせることを確かめた上で、「特製天丼」、値三千六百七十五圓也。茶碗蒸しはなかなかに上出來ながら銀杏が聊(いさゝ)か黄色い。
天丼は、鞘卷き二本、穴子、鱚、茄子、ぶな占地、百合根。鞘卷きは薄衣(うすごろも)にもかゝはらず、上から何やら垂らしたけはひ。蝦は中迄火が入る。穴子は臭みこそないものゝ箸で斷ち切れるほどにあらず。小さ目の鱚に臭みなし。丼汁は濃過ぎず薄過ぎずほどよい。油は太白程淡白ではなく普通の胡麻油よりあつさりめ。
香の物(胡瓜鹽漬け、京菜、長芋)と赤出汁(麩、なめこ)付き。歸りがけ貰(もら)ひし小册子の「玉締絞り(=低温長時間抽出)胡麻油」の寫眞を見るに、オリーブオイルの如き琥珀色。總合的にみて、天一、天亭に代表される「天一系」天丼に近き印象。但し「天一系」の證(あかし)とも云へる柚子とカレー粉はなし。
食後は水菓子(柚子シャーベット)に抹茶。思ふにてんぷら深町のごとき「抹茶アイスクリーム」よりも〆としてはメロンかシャーベットがよい。箸は利休箸ながら楊枝は木。壁には「松島産鯊」、「(東京灣)竹岡産鱚(きす)」、卓上にも春の「銀寶(ぎんぱう)」、秋の「鯊(はぜ)」と誇らしげ。たゞ首傾(かし)ぐるばかり。
こちらは場所や客層から考へて楽亭、はやしなどの敷居の高き店とも異なるし、天一銀座店の如き接待用天麩羅店とも、つな八の如き大衆店とも異なる。銀座の奧樣向けひるめし用か?。強ひて云ふなら伊勢丹七階天一に近い。當ビルの上層階には女性に評判の店があるらしく、陸續と女性客が階を昇つて行く。
接客頗(すこぶ)る良好。仲居達も敎育されてゐる。歸り際(ぎは)、主(あるじ)らしき方がわざわざ挨拶に見え「如何でした?次囘はカウンターで是非天麩羅を..」と聲(こゑ)を掛けてくれた。路地裏に佇む家族經營の店なれば是非とも贔屓にしたい。天麩羅通には薦められぬものゝ、一般の女性客には安心して薦められる。