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| 店名 | またぎ |
|---|---|
| ジャンル | ろばた焼き、鍋(その他)、和食(その他) |
| TEL |
0468-76-0757 ※お問い合わせの際は「"食べログ"を見た」とお伝えいただければ幸いです。 |
| 住所 | 神奈川県三浦郡葉山町堀内1968-8 |
| 営業時間 | |
| 定休日 | |
| 平均予算 |
最も多くの方が実際に使った金額です。 →予算分布を見る [夜] ¥8,000 ~¥9,999 |
| 用途 |
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| 初投稿者 |
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残念ながら葉山では閉店か?
「またぎ」の名が示すとおり、店主の大島氏は猟師であり自ら調達した、もしくは猟師仲間のルートで仕入れた食材を中心に提供する。狩猟期間以外は冷凍した肉なども使うが、漁師に変身して魚料理中心のメニューに切り替える。
今「メニュー」と言う言葉を使ったが、猟の必要のない食材や冷凍保存された食材で対応可能な定番の料理名が壁に掛けられている以外は、その日その店にある食材こそがメニューであり、それは店の何処にも表示されず大体は大島氏の口から「今日は○○があるよ」と告げられることになる。この店には一般的な意味でのメニューというものはないと考えた方が良いかもしれない。
食材は例えば鳥獣系ならば、鹿・猪・鴨・雉といった最近ではフレンチのジビエでも馴染みのあるものの他、熊や小鳥など。念のために付け加えるとベキャスや雷鳥はない(笑)
料理はこれらの食材を、刺身にするか囲炉裏の炭火で焼くか鍋に仕立てるかが基本で、きわめてシンプルなものばかりである(時折煮魚を作ったりすることもあるが)。
しかしこの店の常連達はそれを当然と受け止めているだろう。もちろん料理哲学や解釈の違いはあるだろうが、そのシンプルな調理法こそがそれらの食材の最も旨い食べ方の一つであることを身を持って理解しているのだから。
常連客には東京から駆けつける食通も少なくない。フレンチやイタリアンでジビエを食べ慣れた者達ですら、この店で各食材本来のフレッシュな美味しさを初めて知って驚かされることしばしばである。
一般にジビエの食材はフェザンタージュにより食材の香りや味を強めた上で調理されるのであるが、この店はほとんどのものを熟成させずフレッシュな状態で食べさせる。そこには新鮮な食材でなければ不可能な食べ方があり、濃厚なソースなど一切必要としない旨さがある。それがまさにまたぎの料理であり、似た食材を使いながらもフレンチとは全く別ジャンルの美味しさを追求しているのである。
またシンプルとは言っても、その食材を最も美味しく食べるための仕事はキチンとされている。例えば猪鍋と鴨鍋、またぎ鍋(熊・鹿・地鶏・猪入り)はいずれも味噌仕立てであるものの、並べて食べてみると全く違う味わいになっている。メインの食材が違うため自ずから味が違ってくるということではなく、よりその持ち味を引き出すために食材に合わせて味噌の調合から変えられているのだ。付け出しで出される一品料理にも、和食の料理人出身の大島氏ならではのこだわりと意外に繊細な感性がうかがえる。
間違いなく旨いものを食べさせる店ではあるが、一般にお勧めできる店とは言えない。
店の外観・内装とも決してほめられたものではない上に、店内も常に清潔を心がけられているという風でもない。また食材を運んだり炭火を熾したりという作業は十分だとしても、一般的な意味で心地の良いサーヴィスと言うものでもないだろう。価格も本格的なフレンチレストランでジビエを食べることを考えれば随分と安いものの、一般の客にとってはそれだけの割安感はないと思われる。
大島流を理解し、その魅力に思い切り触れんとするものだけが集まる店であって、そうでない者にとっては珍しさはあっても本当に楽しめる店ではないだろう。
残念なことに、今年の春あたりからは店を閉じた状態のようである。何かの事情でこのまま閉店してしまうのかも知れないし、数年前から大島氏が言っていた「東京に店を出す」という話がいよいよ実現するのかも知れない。
もし後者であればそれはそれで歓迎するべきことだとしても、葉山の地にこの店が無くなってしまうのだとしたら、やはりあまりにも惜しい話である。
この店は東京から程よく離れた葉山という場所にあり、今時こんな店があるのかと思うほどの鄙びた外観の店舗で、決して愛想が良いとは言えない店員と強面の店主がやっていたからこそ、誰もが行ける訳ではない特殊な空間が形成されそれが持ち味でもあったのだが、その独特な雰囲気のまま移転することは間違いなくあり得ないのだから。